TOPICS

シパツウ - C-POWER通信

講義紹介 「R-Me」

岐阜県多治見市にある「C-POWER WorkingSupport ドーラ」は身体、知的、精神などの
何らかの障害がある18歳から65歳の方が就労を目指して取り組む就労移行支援事業所です。

ドーラ(DOLA)とは、「Design Of Life Academy」の頭文字をとって名付けた事業所で、障害のある方が自分自身のこれからの人生と向き合い、生きるために何を学び、社会の中で
どう自立して生きていくかを考え「自分の人生設計をしていく場」です。

一人ひとりが希望する働き方を一緒に考え、働くために必要な訓練を「共通課題」
「個別課題」「自由課題」に分かれて行います。

希望する働き方や実現までの道のりは、一人ひとり違います。

それぞれのプランに合わせて、必要なことを訓練していきます。

電話応対やパソコン訓練、コミュニケーション能力など、社会に出るために必要な力を
ビジネス基礎としてカリキュラムに準備しています。

一人ひとりの「こんなふうに働きたい」を考え、そのためには何が必要か、今の自分を知り、環境を知り、自分の役割を知ることができるように、毎日の訓練を大切にしています。

ドーラの講義をご紹介いたします。

【R-Me(アールミー)】

R-Me(アールミー)のRはRULE(ルール)のことです。
    ルールとは、人々が安心・安全に暮らすために、また、物事がスムーズに進むように
    守らなければいけない決まりのことです。

R-Me(アールミー)のMはMANNER(マナー)のことです。
    マナーとは、社会的にその場にふさわしい行動をとること、行儀作法のことです。

R-Me(アールミー)のEはETIQUETTE(エチケット)のことです。
    エチケットとは、人に迷惑をかけない、人を思いやる行為のこと、礼儀のことです。

社会ルールやマナー・エチケットが守れるMe(私)になれるように、また、ルールがなくてもマナーやエチケットを考えて動ける人になれるよう、ドーラではこの3つを学ぶ時間を
「R‐Me(アールミー)」とよんでいます。

今回は、「話を聞くときのルール・マナー・エチケット」について学びました。

あなたが誰かに何かを語りかけるシーンを思い浮かべてみてください。

聞き手は黙ってあなたの言葉を聞いてくれているものの、無表情で手足や首の動きが全く
なかったとしたら、どう感じるでしょうか。

「この人は、これ以上話を聞きたくないのではないだろうか」
と消極的な気持ちが強まったり、
「自分の語ったこと を理解してくれているのだろうか」
と自分の話した内容自体に不安を抱いたりするはずです。

逆に、聞き手があなたの言葉に耳を傾けながら、微笑んだり、うなずいたり、あいづちが
あったなら、どうでしょうか。

あなたは聞き手にもっと伝えたいと感じ、積極的に語りかけようと思うはずです。

これらからも分かるように、話し手は、聞き手の反応に影響を受けながら話をしています。

つまり、聞き手は表情やあいづちによっても、コミュニケーションを円滑に進められる
わけです。

さらには、話し手の考えをより引き出したり、話し手に気分よく胸の内を語ってもらったり
することができるといえます。

話し手に伝わる視覚的な反応としては、目、口、手足、首などの聞き手の動きがあります。

例えば、真剣な眼差しでいると「真剣に聞いてくれている」、手を動 かしてメモを取ると
「興味を持ってくれている」、首を動かしてうなずくと「共感してくれている」と話し手は
感じるものです。

「うなずき」を繰り返すと話し手は話しやすくなるという、発話される数との相関関係も実証されています。

「目は口ほどに物を言う」とことわざにもある通り、視線の向きや向ける時間は自分の感情や心理状態を瞬時に伝達する大きな情報発信力を持っています。

注意しておきたいのは、話し手の目に視線を向ける時間です。

注目・興味・好意・尊敬などが伝えられるいっぽう、長時間凝視すると
・敵意
・支配
・攻撃
・疑惑
などの
マイナス感情を抱かせることもあるため、時には視線を目の周囲に逸らすことが必要です。

目に向ける時間は一般的な目安として、コミュニケーション時間の約 半分で充分だと言われています。

視線を話し手に向けた時と外した時を比較すると、前者の方が聞き手の脳の活性度が高まる
研究結果もあります。

話し手の表情やジェスチャーから多くの情報が 得られるためですが、それによって活性化した脳を働かせて聞き手としての反応を話し手に示していけば、コミュニケーションを次々と展開させることにも繋がっていきます。

「なるほど」
「たしかに」
「へえ」
「はい」
に、ご注意

話し手に対しての聴覚的な反応としては、まずはあいづちが挙げられます。

注意すべきは、
「なるほど」
「たしかに」
「へえ」

といった、つい口にしがちなあいづちです。

これらは、馴れ馴れしさや見下ろすような姿勢を話し手に感じさせることがあるとともに、
ビジネスやフォーマルな場面にはふさわしくありません。

「そうですね」
「おっしゃる通りだと思います」
「それは面白そうですね」
など別の表現に言い換えるとよいでしょう。

一番よく使われるあいづち「はい」を使う時に気を付けたいのは、聞いているという
シグナル、理解しているというシグナル、同意しているというシグナルなど、話し手に伝えるニュアンスがさまざまにあるということです。

どの意味を持つ「はい」なのかを強弱やイントネーションによって明確に示すことが
重要です。

どれにも属さない機械的であいまいな「はい」は、逆に話し手に戸惑いを与える場合も
あります。

コミュニケーションを苦手に感じている人ほど、意識して少々大げさなあいづちを使うようにするぐらいがちょうどよいと言われています。

また、あいづちには会話にワンクッションを挟む機能もあります。

小休止の間(ま)やひと呼吸を置くと、お互いの頭が整頓されたり、話をより弾ませたりすることができます。

皆さんも、誰かと話をするときには、頷きながら聞くようにすると、もっと会話が弾んで
コミュニケーションがとれるようになるといいですね。