人にはそれぞれ、些細なことから大きなものまで様々な課題が存在します。
その課題を克服したり、目標を達成したりしながら、より良い幸せな人生を求めて
生きています。
そんな皆様へお勧めしたい本をご紹介いたします。
「あなたはそこにいるだけで価値ある存在」 著者:樋野興夫氏
「仕事でもプライベートでもうまくいかない、病気にもなってしまった、
八方塞がりでどうしようもない」
という人は、自分の周りしか見えなくなっています。
そういう時は空を見上げてみてください。
天は誰の上にも同じように広がっています。
あなたが見上げた空は、雲一つない青空かもしれません。
雲がかかっているかもしれません。
雨が降っていることもあるでしょう。
八方塞がりは、雨でずぶ濡れの状態と同じだと感じるかもしれません。
でも、その雨は誰の上にも平等に降っています。
傘をさすか、家の中に入るか、ずぶ濡れになるかは、あなた次第です。
新渡戸稲造は
「生きる望みを失った時、心を落ち着けて、天を仰ぎ、心に念ずれば、
どことなく慰めてくれる風が吹いてくる」
と書いています。
空を見上げると、広い宇宙で人間はとても小さい存在であることに気づき、悩みも小さく感じられるようになります。
悩みでがんじがらめになっていた心に隙間ができて、問題解決の糸口が見つかりやすく
なります。
また「天にゆだねる」という考え方もあります。
やれるだけのことをやったら、あとは天に任せるということです。
天に任せたら、細かいことは一喜一憂せず、結果は潔く受け止める覚悟が大切です。
日本人はもともと自然万物に神を見出してきました。
太陽はお天道様、月はお月様と称し、崇めてきました。
天にゆだねることも自然に行われてきました。
八方塞がりになったら謙虚な気持ちで空を見上げてください。
天はいろいろなことを教えてくれます。
私たちは人生の中で、多くのものを与えられます。
いいものも悪いものもあります。
どれを選ぶかは自由意思です。
良いものを与えられていても、それを選んでいない人はたくさんいます。
同様に、人生の役割を与えられていても、気づかず受け取っていないことがあります。
受け取っていても磨きをかけていない人もいます。
まずは与えられた役割に気づき、受け取ることです。
受け取ったら、それに磨きをかけなければいけません。
そうしないと、せっかくのよい役割でも錆びついてしまいます。
どんなに才能のあるスポーツ選手でも、練習を積まなければ一流になれませんね。
この世に生まれた役割を受け取り磨くには、日々勉強することです。
机に向かうばかりが勉強ではありません。
私にとっての勉強は出会いです。
人に出会うこともいいし、本にであってもいい。どんな人にも出会いは与えられています。
それを選ぶのも自由意思です。
また視野や意識を変えることも必要です。
私たちは表面に見えているものだけで、全体の良し悪しを判断してしまうことがあります。
自分の狭い経験だけで、物事を決めつけてしまうこともあります。
新渡戸稲造は
「それではいけない。見えないところに真実があるかもしれないと思いなさい」
と教えています。
「心で見なくちゃ、ものごとは良く見えないってことさ、
肝心なことは目には見えないんだよ」
と『星の王子様』のキツネも言っていましたね。
あなたの役割はどこにあるでしょう。
出会いの中でしょうか。
海の下や雲の陰でしょうか。
目に見えないところかもしれません。
ぜひ見つけて、磨いていただきたいと思います。
人生には「もしかすると、このときのため」と思える時があります。
仕事の転機だったり、人との出会いだったり、人生の危機だったり。
「このとき」は自分の役割を果たすときです。
それはいつ訪れるか誰にもわかりません。