人にはそれぞれ、些細なことから大きなものまで様々な課題が存在します。
その課題を克服したり、目標を達成したりしながら、
より良い幸せな人生を求めて生きています。
そんな皆様へお勧めしたい本をご紹介いたします。
「一度読んだら忘れない『日本史の教科書』」 著者:山﨑 圭一氏
なぜ日本史を苦手とする人が多いのか?
街の書店を覗いてみると、日本史をテーマにした本がたくさん並んでいます。書籍だけでなく、ドラマや映画、ゲームの題材としてもよく見かけます。日本の歴史は、実に多くの形で親しまれているのです。しかし、社会人でも「学生時代、日本史が苦手だった」という話をよく聞きます。
なぜ、広く親しまれているはずの日本史を苦手だと思う人がこれほど多いのでしょうか?
日本史の学習において大切なのは、世界史と同様、最初に全体の流れ、つまりストーリーを頭に入れることです。実際に把握しているのは戦国時代や幕末などのごく限られた部分のあらすじだけで、奈良時代や大正時代などのあらすじは知らない人が圧倒的に多く、弥生時代や平安時代という「時代区分」を知っていたとしても、それ以上の「ストーリー」が頭に入っていないのです。
つまり、全体の流れがつかめていないので、脈絡もなく用語や人名をひたすら暗記することになってしまうのです。
「苦手な人」を生み出す中高の教科書の問題点
高校から本格的に習う世界史と違い、日本史は小学校から繰り返し習っているはずなのに、なぜ、多く人が全体のストーリーを掴むことができないのでしょうか?
しかも、膨大な数の国が登場する世界史に比べ、日本史は日本という1つの国のストーリーを頭に入れればいいだけにもかかわらずです。
1つの要因として、中学校の歴史的分野の教科書と高等学校の日本史の教科書の「ギャップ」にあるのではないでしょうか。
簡単にいえば、中学校の教科書は「簡潔すぎ」、高校の教科書は「細かすぎ」なのです。
中学校の教科書は時代ごとの要点を「紹介」するにとどめており、時代と時代をつなぐストーリーについて詳しく述べられていません。そのため、読み手側は時代が突然飛んでいるように感じてしまいます。
また、中学校の教科書の特殊な事情として、世界史の情報が日本史の中に唐突に「挿入」されていることも、日本史全体のストーリーを見えにくくさせている1つの要因です。
では高校の教科書はどうでしょう。
多くの国が登場する世界史と違い、日本史は、時間軸の縦の流れが明確で「一直線のストーリー」だという印象を持っている人が多いと思います。ところが、高校の教科書は、時代区分ごとに「政治」「社会」「経済」「文化」のコーナーに分かれ、「行きつ戻りつ」記述されているのです。
日本史は大学受験を目指す生徒の半分以上が選択する科目であり、受験には政治・経済・社会・文化の細かい知識が必要になります。すべての内容を端折らずに学ぼうと思うとストーリーが読みにくくなってしまうというわけです。
この本の特長は、年号や西暦のような年代を示す表現がありません。
年号を使わないことで、ストーリーがシンプルに頭に残ります。
また、年号がないので、事件や人物の「関係性」「つながり」「因果関係」がより際立ちます。
日本史が苦手な理由が客観的にわかり、楽しく学ぶ方法もわかった1冊でした。