人にはそれぞれ、些細なことから大きなものまで様々な課題が存在します。
その課題を克服したり、目標を達成したりしながら、
より良い幸せな人生を求めて生きています。
そんな皆様へお勧めしたい本をご紹介いたします。
「運動脳」 著者 アンデシュ・ハンセン氏 訳 御舩由美子氏
皮膚や心臓や肺と同じく、脳も老化する。では、どのように老化するのだろうか。
老化を遅らせる手立てはないのだろうか。ひょっとして定期的に身体を動かせば、老化という流れを変えられるのではないだろうか。
研究者たちがこうした疑問を抱いたのは、ある動物実験がきっかけだった。ケージで飼育されているマウスのうち、回し車をこいだマウスは脳の老化が遅いことがわかったのである。
ウォーキングを1年間続けた被験者たちは健康になったばかりでなく、脳の働きも改善していた。
MRIの画像は、脳葉の連携、とくに側頭葉と前頭葉、また側頭葉と後頭葉の連携が強化されたことを示していた。
定期的なウォーキングが、実生活にもプラスの影響を及ぼす脳の変化をもたらす。心理テストの結果、「実行制御」と呼ばれる認知機能(自発的に行動する、計画を立てる、注意力を制御するといった重要な機能)が、ウォーキングにおいて向上していたことがわかったのである。
要するに、身体を活発に動かした人の脳は機能が向上し、加齢による悪影響が抑制され、むしろ脳が若返ると判明したのだ。
運動をしたからといってストレスを根こそぎ取り除くことはできないが、上手く制御できるようになる。運動を習慣づければ、脳のブレーキペダルが強化され、「闘争か逃走か」モードに入りにくくなるからだ。
たとえば、あなたが決められた期日までに仕事を終えられず、叱責されたとしよう。
普通なら心拍数が増えて血圧は上がり、思考が混乱して挽回するどころかパフォーマンスは低下する。しかし、運動を習慣にしていればそういったことも減っていく。困難な状況にうまく対処できるようになり、身体も心も過剰に反応しなくなるのである。
忙しくて運動する時間がない人にこそ、誰よりも運動が必要なのはあなただと伝えたい。仕事が多すぎて運動している暇はないというなら、こんなアドバイスはどうだろう。
運動する時間を作れば。気分が爽快になってストレスが減るだけではない。この時間の投資は、仕事の質を向上させてくれる。ときどき、仕事の時間を30分ほど運動にまわせば、その日の残りの時間はかえって仕事がはかどること間違いなしである。
運動してストレスに対する抵抗力が高まれば、その効果は体重計にも表れるのである。
そのわけは、コルチゾールの「身体の脂肪の燃焼を妨げる作用」にある。
コルチゾールの血中濃度が増えると、腹部に脂肪が蓄積する。そのうえ、食欲が増し、高カロリーのものが食べたくなる。
だが、運動によってストレスに上手く対処できるようになればコルチゾールの血中濃度は下がり、やがて食欲が収まって、蓄積された脂肪も減り、その一方でカロリーの燃焼量は増えていく。結果は、体重計とウエストを見れば一目瞭然である。
身体を良く動かせば、ちょうど筋力トレーニングで筋肉が鍛えられるように、灰白質と白質の働きが強化される。したがって、運動をすれば、子どもでも大人でも知能が高くなる。
脳に効果を及ぼすには、何より心拍数を上げることが重要とされている。脈拍を1分間に150回前後まで上げることを目安にしよう。
活動は必ずしも運動でなくてもよい。ただ体を動かして遊ぶだけでも効果はある。大人と同様、重要な点は、子どもたちが何をして身体を動かすかではなく、とにかく身体を動かすことだ。
最大の効果を得るためには、子どもたちが最低30分以上活動を続けることが望ましい。
短い時間でも効果はある。12分間身体を動かしたことによって、学童期や思春期の子どもたちの読解力や集中力が増している。ジョギング程度の活動を、わずか4分間するだけでも物事に集中しやすくなる。
自分の運動もさることながら、子どもの集中力が上がるのであれば、身体を動かす活動をさせてみることは試す価値ありですね。「勉強しなさい!」と何度も叱って自分のストレスを増やすより、「外で遊んできて」と言う方がどれだけ簡単か!
すぐに試してみたいものですね。
そして、もちろん自分の運動も無理なく始めてみるっていう目標を掲げて生活してみます。