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シパツウ - C-POWER通信

読書のススメ
「どうせ私は」をやめてみる。

人にはそれぞれ、些細なことから大きなものまで様々な課題が存在します。
その課題を克服したり、目標を達成したりしながら、より良い幸せな人生を求めて
生きています。

そんな皆様へお勧めしたい本をご紹介いたします。

「どうせ私は」をやめてみる。                                                           著者: 井上裕之 氏

3人の賢者の寓話

ある日、あるところで、3人の「成功者」が、幸せな人生をつかむためには、どんな考えで、何をすればいいのかを話し合いました。

大企業の社長A氏は、こう話しました。

私もかつては、多くの挫折を経験したし、楽しいことも我慢して、努力を続けてきた。

その苦労に耐えたから、現在の自分がある。

起業家のB氏は、こんな意見を口にします。

充実した人生を実現するには、何が大切か。

それは明確な目標を定め、自分の力で達成することだ。

ゴールに到達できてこそ、幸せになれる。

そして、投資家のC氏は、こう主張します。

私は、毎日が面白くなければイヤだ。

将来のために、現在を犠牲にする気はない。

つらい日々を耐えての幸福?

そんなものは、ない。

3人の意見を聞いて、どんな印象をもったでしょうか。

もし、あなたがA氏とB氏の考えが正しいと思ったのなら、2人のタテマエ、常識的な意見に、ダマされているかもしれません。

でも、この「常識」が不幸の原因だとしたら、どうしますか。

きっと本音では、誰しもがC氏の言うように、つらい毎日は避けたいし、現在も将来も幸せに暮らしたいはずです。
そんな欲張りな生き方を現実にする方法は、すぐ近くにあります。

では、まず何からはじめればいいのでしょうか。

悩みや不安を「分別」する2つの箱

幸福は具体的にイメージするのは難しいものですが、不幸というのは、たいていは原因が
あって感じるものです。
それは、「悩み」や「不安」など、具体的な問題が多いでしょう。
その悩みや不安を解消する最初の一歩は、自分が置かれている状況を自分で客観的に見ると
いうことにあるように感じます。

つまり、自分の状態を客観視できれば「痛み」のほとんどは解消してしまうとも
言えるのです。

そこでみなさんにおすすめしたいのは、自分の頭の中に「2つの箱」を用意するという
思考習慣です。

この2つの箱は、あなたの悩みや不安をきれいに「分別」するための箱です。
1つ目の箱には、あなたが抱える不安や悩みのうち「どうにかなる」と思うものを入れて
みてください。
そしてもう一方の箱には「どうにもならない」と思うものを入れてみてください。
これだけでもずいぶん頭の中がすっきりしたように思いませんか?

人生には、あなたがどれだけもがいても「どうにもならないこと」が存在します。

「ニューヨーク生まれのアメリカ人になりたい」と悩むとしたら、これほど無意味なことは
ありません。
「どうにもならないこと」に対して悩んでいても、その原因は自分で取り除くことができないわけですから、その事実をまずは受け入れてみましょう。
そのためには客観視することが大切です。

分別の結果、あなたが心を痛めている問題のほとんどが「どうにもならないこと」に属する
ものだったとしたら、どこか見えないところにしまってしまうのもいいでしょう。
これからの人生のために「どうにかなること」に集中して時間を使うのです。

あなたがものすごく急いでいたとします。
その時にあなたは落ちているお金を拾って交番に届けるということができるでしょうか?
そんなことをしていたら、約束に遅れてしまう。
それでもあなたは正しい行動ができるでしょうか?
正しい行動をするというのは、ときにものすごく労力がいることです。
一方で正しくないことはたいてい楽にできてしまいます。
だから、正しいことをするための労力を惜しんで、人は、また一歩、不幸のほうに歩み寄ってしまうのです。
人が不幸を引き寄せるのは、幸福を手にするために必要な行動を、面倒だと感じるからです。
それが正解ではないと知りながら、不幸になる考え方をやめないのは、労力がいるから
なのです。
言い換えれば、不幸でいることにメリットを感じていると表現することもできるでしょう。
100%正しいと言い切れる人はこの世の中のどこにもいません。

ときに間違いを犯してしまう未熟な者同士が集まって、私たちは社会を構成しています。
だから、生きていくためには「事実における正しさ」だけでなく「心における正しさ」
にも注意を払う必要があるのです。

あなたが目の前の誰かを非難したくなったとき、事実としてはその相手は確かに間違っているかもしれません。
しかし、その行いを非難することが、その人を傷つけることになるのなら、立ち止まって考えてください。
自分で近づいて行かなければ、幸せは一生手に入れることはできません。

いわば「自分で自分を幸せにする」「幸せを取りに行く」という意識が幸せになるためには
一番重要なのですが、その前提になるのは、自分がその理想を手に入れるに値する人間なんだという確固たる思いなのです。
ですから、自分のことを自分で否定している「どうせ、私は」という言葉は、自分で自分を
不幸にしてしまうのです。

まずはネガティブな意識を捨てて、少しずつでも「行動」を起こすことから始めてみると
いいですね。
「今日はより良い一日だった」
「明日はさらに頑張ろう」と言葉にしてみましょう。
「さらに」と「より」は今の自分を認めながら、その自分をスタートにしてもっと成長して
いくことを信じる言葉です。

今の自分は「ゼロより上」「プラスだ」ととらえて、成長を意識して過ごすようにしたい
ものです。