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シパツウ - C-POWER通信

就労移行支援事業所C-POWER
WorkingSupportドーラ
「テクニカルスキル」の講義

 岐阜県多治見市にある「C-POWER WorkingSupport ドーラ」は身体、知的、精神などの
何らかの障害がある18歳から65歳の方が就労を目指して取り組む就労移行支援事業所です。

ドーラ(DOLA)とは、「Design Of Life Academy」の頭文字をとって名付けた事業所で、障害のある方が自分自身のこれからの人生と向き合い、生きるために何を学び、社会の中で
どう自立して生きていくかを考え「自分の人生設計をしていく場」です。

一人ひとりが希望する働き方を一緒に考え、働くために必要な訓練を「共通課題」
「個別課題」「自由課題」に分かれて行います。

希望する働き方や実現までの道のりは、一人ひとり違います。

それぞれのプランに合わせて、必要なことを訓練していきます。

電話応対やパソコン訓練、コミュニケーション能力など、社会に出るために必要な力を
ビジネス基礎としてカリキュラムに準備しています。

一人ひとりの「こんなふうに働きたい」を考え、そのためには何が必要か、今の自分を知り、環境を知り、自分の役割を知ることができるように、毎日の訓練を大切にしています。

ドーラの講義をご紹介いたします。

【テクニカルスキル】

テクニカルスキルとは、業務を遂行する上で必要となる専門的知識や技術、業務遂行能力などのことで、内容は職務内容によりさまざまです。

  1. 販売職や接客職:接客技術、説明力、商品知識、観察力など
  2. 事務職:事務処理能力、PCスキル、資料作成能力など
  3. 営業職:コミュニケーション能力、マーケティング技術、商品知識など
  4. 企画職:情報収集力、市場理解、分析力など

今回は「業務報告(日報)を上司宛にする場合のメールの作成」を学びました。

メールで連絡できるようになって、オフィスでの仕事は飛躍的に便利になりました。
電話を使わなくても、手軽に文書で報告することができます。
また日報もメールで提出することで上司が外部から確認できます。

しかし、メールでの日報に慣れていない社会人も多いでしょう。
日報メールの書き方を練習してみましょう。

日報メールは会社によって形式が違います。

日報のテンプレートが用意されている場合もあれば、メールとして直接入力する日報も
あるでしょう。
今回は、実際にいつも書いている日報を準備して、メールとして入力もしてみました。
日報を書くときに、まず考えていただきたいのが読む人の目線です。
メールとして送られてくる日報は他のメールに紛れ込みやすく、後から探すときにも手間が
かかります。
そのため、メールで日報を送るときには、本文だけでなくタイトルにも「日報」と
「自分の名前」を記載しておくとよいです。
件名に表示することで、メールの一覧を見た上司もすぐに誰からの日報か知ることが
できます。
大量のメールがあっても紛れ込みにくくなるでしょう。
また件名に入れておくことで見つからない時にも検索しやすくなります。
振り分け登録や管理もしやすくなります。

メールで日報を送るときには、見やすさを重視します。
文章もダラダラと長くするのではなくて、箇条書きでポイントをわかりやすくまとめます。
日報は細かく丁寧に書こうとしてしまうと、ついつい長くなってしまいます。
しかし、モニターでは長文の確認も手間取ります。
視覚的に見やすくするため、短時間で内容を把握してもらうためにも箇条書きでシンプルに
まとめましょう。

日報のメールで必ず必要な項目が業務内容です。
業務内容の報告方法にはいくつかあります。
まず時系列に業務内容を送る方法です。
業務の内容や出会った人などが流れでわかりやすく、人の動きが詳細に伝わることが
メリットです。
また重要な点をまとめて伝えるのであれば、業務の中でも重要事項をピックアップして
箇条書きにしておきます。
業務の内容とそれに対する所感を分けて書くとわかりやすくなります。

まだ仕事に不慣れで何が重要事項か判断が難しい場合は、時系列順に書いたほうが
わかりやすいかもしれません。
業務内容の報告はその業務によって適した形は違います。
ただし、「何を」「どのくらいの時間で」「成果はどうか」という3つのポイントは
必ず押さえてください。
業務内容の報告は、やったことに対する状況や成果をできるだけ客観的に正確に記載する
ものです。
しかし、業務報告だけの日報では、読んだ側が情報を把握することだけしかできません。
日報には必ずやったことに対する振り返りを加えます。
気付いたことや疑問点、今後の課題等を併せて記載してください。
ただし、単なる感想文にならないように注意が必要です。
組織に貢献するため、自分が成長するために必要な気づき、改善点を報告してください。

業務から得た知識や反省やそれに対する改善策、改善策を具体的に実行する方法を考えることはスキルアップにつながり、上司や先輩との情報共有に欠かせません。
その日の業務のほか、策定した目標や改善策に対して具体的な行動をおこなった場合は、
その成果や結果も日報に記載します。
良かった点だけでなく、改善の必要な点があればそれも記載してください。
成果がない、失敗した場合には、その原因や悪かった点を記載することで、行動の
ブラッシュアップを目指します。

日報の大きな目的の一つが、行動を振り返って反省点や今後の課題を見つけることです。

ただ漠然と行動を繰り返すだけでは、成長につながりません。
行動に対して反省、頭を使って解決策を考えることで日々着実に成長していきます。
記入するときも反省点や解決策の内容が以前の日報と同じものにならないように、
より成長した内容を記載できるように意識してみてください。
業務や自分の行動に対して、感じたことや改善点がある場合は所感として記載します。
感想は自分の感じたことや思ったことをそのまま書くものですが、所感は感想を述べる
だけでなく、次につなげるための仕事へのかかわり方を考えます。
「思ったようにならずに残念だった」のような内容では感想にとどまってしまいます。
自己の成長のため、組織に貢献するための考えを述べるのが所感です。
「このやり方では成功しなかったため、次はアプローチを○○のように変えたいと思う」
と、具体的な方策を述べるようにしてください。

明日の目標は、今日の業務内容やそれに対する反省点、所感を前提にして設定します。
「営業訪問を頑張る」という書き方では内容があいまいなので、
「営業3件(新商品のアプローチ)」というようにできるだけ件数や時間などを具体的に
記載します。
職種によっては具体的な目標が立てにくい場合もあります。
「〇〇の書類を午前中に仕上げる」のようにできるだけ内容を明確にして目標を
立ててください。
明日の目標を前日に考えておくことで、翌日仕事にすぐ取り掛かることができます。
また上司から事前にチェックして必要に応じて目標を修正することも可能です。

日報を書き慣れていない時は、できるだけ文章を多くするために自己分析ばかりに
なってしまうことがあります。

しかし、自分の仕事の評価、分析は上司や先輩の仕事であって、本人でするものでは
ありません
特に良くないのが「自分でも上手くいったと思います」のように過度に自己を評価するものや、「本当にダメだなぁと感じました」のように自虐的になっているものです。
日報ではできる限り客観的な内容を書いて、自分の主観的すぎる評価や感情だけの内容は
避けるようにしましょう。
上司や先輩に提出する日報であってもビジネス文書です。
ビジネス文書の基本や言葉遣いには注意してください。
例えば言葉遣いや目上の方へのマナーは忘れないようにします。

日報を送るときにも、宛先や署名などを確認します。

また文章自体も主語と述語がはっきりしているかどうか、短くてわかりやすい文章になって
いるかどうかをチェックします。
名前や日付のようなちょっとしたケアレスミスでも重なれば信頼を失ってしまうでしょう。

メールとして送付する前に、必ず読み返すように習慣づけてください。

まだ、メールでの報告には慣れていない人もいると思いますが、手書きの日報であっても
書く練習にはなりますので、是非「働くこと」を意識した日報にしていきましょう。