岐阜県多治見市にある「C-POWER WorkingSupport ドーラ」は身体、知的、精神などの
何らかの障害がある18歳から65歳の方が就労を目指して取り組む就労移行支援事業所です。
ドーラ(DOLA)とは、「Design Of Life Academy」の頭文字をとって名付けた事業所で、障害のある方が自分自身のこれからの人生と向き合い、生きるために何を学び、社会の中で
どう自立して生きていくかを考え「自分の人生設計をしていく場」です。
一人ひとりが希望する働き方を一緒に考え、働くために必要な訓練を「共通課題」
「個別課題」「自由課題」に分かれて行います。
希望する働き方や実現までの道のりは、一人ひとり違います。
それぞれのプランに合わせて、必要なことを訓練していきます。
電話応対やパソコン訓練、コミュニケーション能力など、社会に出るために必要な力を
ビジネス基礎としてカリキュラムに準備しています。
一人ひとりの「こんなふうに働きたい」を考え、そのためには何が必要か、今の自分を知り、環境を知り、自分の役割を知ることができるように、毎日の訓練を大切にしています。
ドーラの講義をご紹介いたします。
【良いトコ見つけ】
何気なく過ぎる毎日でも、その日は誰かにとっての大切な記念日です。
一日を大切にする気持ち、1分1秒を大切にする気持ちをもてるようなきっかけになればと
思っています。
この講義は「今日は何の日?」から始まり、いろんなことに興味がもてるようになるための
訓練の一つです。
些細なことに興味をもつことで、会話の引き出しを増やし、雑談力を鍛えていきます。
今回は7月のイベントの中から「土用の丑の日」について学びました。
そもそも「土用」ってご存じですか?
「土用」は、暦の上で「雑節」とされているもので、年に4回訪れます。
「土用の丑の日」は?
というと、夏土用の期間中に訪れる「丑の日」を指したものです。
土用には、古代中国の思想である「陰陽五行説」がかかわっています。
陰陽五行説は、
- 自然界のあらゆるものを「蔭」と「陽」にわけた「陰陽論」
- 自然界は「木」「火」「土」「金」「水」の5つの要素でなりたっているとする
「五行説」
この2つを組み合わせて、宇宙や自然、人事などありとあらゆる現象を説明する理論です。
四季を五行説で表そうとした時、五行説が持つ5つの要素に1年を表す四季を当てはめ
「春=木」「夏=火」「秋=金」「冬=水」としました。
でも、これでは五行説の構成要素である「土」が欠けてしまいます。
そこで、それぞれの季節の終わり約18日間に「土」を割り当てて「土用」としたのです。
「立春」「立夏」「立秋」「立冬」各日の前、約18日間が土用の期間となっています。
本来、五行説の5つの要素は「木気・火気・土気・金気・水気」といい、「土用」という
ものはありません。
「土用」は、元々「土旺(王)用事」と言い、この「旺(王)」と「事」が省略された
ものとされています。
「土旺用事」は、「土の気が旺になり事を用うる」と読みます。
ここでの「用」には「はたらき」という意味がありますから、土の気がもっとも働く期間を
指しています。
そして「王」には「大きく伸びる」といった意味があり、「旺」は「日の光が盛んに四方に
放たれるさま」を意味しているそうです。
他に、「土旺(王)」が日本に伝わってから発音がなまって「どよう」になったため、「用」という漢字があてはめられて「土用」になったという説もあります。
「夏土用は丑の日にうなぎを食べる」これは定番中の定番ですし、その由来も平賀源内説が
浸透していますが、土用の丑の日には「うのつく食べ物を食べるといい」とも言われ
ています。
同様に、他の土用にも「〇の日に×××を食べるといい」というものがあり、食べ物を決めるにあたって関係してくるのが「五行思想」です。
五行思想は森羅万象全ての物を「木・火・土・金・水」に当てはめるものですから、色も
割り当てられています。
さらに「土用の丑の日」のように、食べるといい日を確定する事には、土用が属する月の干支も絡んでいます。
これらを踏まえて、4つの土用を見てみると
- 冬土用:旧暦12月(丑)、冬(水)、黒
- 春土用:旧暦3月(辰)、春(木)、青
- 夏土用:旧暦6月(未)、夏(火)、赤
- 秋土用:旧暦9月(戌)、秋(金)、白
となります。
その上で登場するのが、「相生・相剋」という考え方です。
・相生=相手を生み出していく陽の関係
・相剋=相手を打ち滅ぼしていく陰の関係
食べ物を決める要素となったのは、「相剋」の関係です。
お馴染みの夏土用を例にして、簡単に説明したいと思います。
夏土用の属する期間は、夏で火が配されています。
暑い夏を乗り切るには、火の力を弱めなくてはいけません。
そのため火と相剋の関係にある、水の力を利用したのです。
水性の季節は冬ですから、夏土用と冬土用が相剋の関係になります。
冬土用は旧暦12月で丑月なのですが、夏土用の未月に丑月があるわけもなく、代わりに丑の日が利用されました。
そして、水性の色は黒ですから「黒い食べ物」となります。
また、「丑」の頭文字をとった「うの付く食べ物」もいいと言われています。
2021年の丑の日は、7月28日(水)です。
「う」のつく食べ物は、お馴染みのうなぎを筆頭に、うどん、梅干し、瓜、牛(肉)などが
あります。
黒い食べ物は、シジミ、黒豆、昆布などです。
土用は季節の変わり目に当たる期間なので、体調管理にも十分気を付けて過ごして
いきましょう。